口無し

今年もクチナシの季節がきました。
甘く濃厚な香り。生け垣で見つけるたびに匂いを嗅ぎにいってしまいます。
中薬としては、山梔子(さんしし)と呼ばれ、体にこもった余分な熱を取る作用があります。熱が行き過ぎて血がドロドロになってしまったものにも効果があるそう。
花言葉は、私は幸せ者、とても幸せです、優雅、洗練、清潔、喜びを運ぶ、ジューンブライドの花嫁に似つかわしい文言のようですね。
無垢な白と甘い香りと華やかな言葉。
でも作用は煮えたぎるほどの熱を取るくらいの冷ますもの。

口に出せずに悶々とした想いを抱えつつ
クチナシのブーケに宥め賺されつつ
新たな家に嫁いでいく花嫁

…なんていうストーリーが思い浮かんでしまいました。

花ひとつからアレコレ巡らすのも一興ですね。